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リスクの低い太陽光発電施設の設置

目次

1. 事業用太陽光発電の将来を握るコスト管理

2. 気象条件が太陽光発電のコストに影響する

3. 太陽光発電の破損原因トップ3は気象現象によるもの

4. 気象影響を低減しコストダウンさせる

  ・気象影響がコストにつながるメカニズムとは?

    ・例1『落雷日数や密度データ』

    ・例2『落雷日数や密度データ』北陸と関東比較バージョン

  ・設置済み太陽光発電の落雷対策はAPIサービス

5. 太陽光発電はクリーンな不動資産

 

冒頭

 太陽光発電施設には小規模なものからメガソーラーと言われるものまで幅広く存在します。太陽光から電気が作れる魅力がある一方で、自然現象で故障する危険性が高く、強風や落雷による被害が後を絶ちません。そのため太陽光発電を設置・維持管理を行う際に気象情報の取得がおすすめです。

 

1.  事業用太陽光発電の将来を握るコスト管理

 事業用太陽光発電は2014年度、2015年度において年度合計で8GWを超える導入量を記録しました。以降の新規導入量は5GW程度を維持しており、見かけ上では太陽光発電事業は順調に見えます。一方で事業用太陽光のFIT認定量は2015年度以降減少しており、2020年度には0.9GWまで大きく減少しています。

 このトレンドが続く限り太陽光発電の成長が見込めません。しかし太陽光発電事業のコスト低減が実現できると再び復活の兆しを見せてくるのが現状です。

  

2.  気象条件が太陽光発電のコストに影響する

  太陽光発電事業にはコストの低減が求められており、例えば以下のような取り組みが事業者には求められています。

  • モジュール変換効率の向上
  • 太陽光発電の長期稼働(20年以上の稼働)
  • 造成・工事費の削減

 そして近年注目度を挙げている取り組みが

  • 気象条件による影響の低減

 太陽光発電事業では故障・修理費用に大きなコストがかかり、これを防ぐことが事業のコスト削減に大きく貢献します。

 しかし天災による太陽光発電の被害は例年確認されており、日本の気象環境では台風や雷、土砂災害による破損が見られます。また太陽電池パネルは自然災害により破損をした場合でも光が当たれば発電するため、破損個所に触れて感電する二次災害の恐れがあります。このように太陽光発電が『自然災害による再エネ発電設備の事故防止及び安全確保について』対策を促しています。

 

3. 太陽光発電の破損原因トップ3は気象現象によるもの

 太陽光発電の破損原因は天災のみではありません。しかし良好な日射を必要とし、周囲に障害物がない場所に設置された太陽光パネルは気象の影響を最も受けやすくなります。

 一般社団法人日本雷保護システム工業会の報告によると、太陽光発電の破損の主な原因は雷であり、全体の約26%を占めていることが判っています。

『一般社団法人雷保護システム工業会のデータを基にグラフ作成』

 2位は雪14%、3位は台風9%、4位は人為的被害3%、5位が火災2%という結果になりました。この結果から太陽光発電の主な破損原因のトップ3(破損の約50%)が天災によるものだと言えます。天災によって破壊された場合、電源・通信部分のショート(雷による破損の場合)、浸水(台風による破損の場合)などの危険性があり、修理・管理コストが追加で必要になってしまいます。

 

4. 気象影響を低減しコストダウンさせる

 気象現象によって太陽光発電は時として損害を受けるため、様々な対策が講じられてきました。例えば雷に対する避雷設備の増強。雪に対しては雪止めや落雪防止装置などが挙げられます。そのほかには太陽光発電専用保険の加入等がありますが、相応の資金が必要になってしまいます。

 そこでおすすめは

『破損の主原因である気象情報の分析、情報を多く収集し、効率的な気象対策をすること』です。天候の影響に大きく左右されず、太陽光発電を天災から保護できると無駄をコストダウンできます。このような取り組みを導入している法人は最近増加傾向にあります。

 

気象影響がコストにつながるメカニズムとは?

 ではどのように気象情報が活用できるのでしょうか?メカニズムを紐解きましょう。

 例えば『雷の落雷日数や密度データ』を持っている場合、あらかじめ雷による破損確率が低い場所に太陽光発電を設置することができます。

 

例1『落雷日数や密度データ』
落雷密度データのイメージ

 落雷の発生日数に着目した落雷日数マップでは、『毎日落雷がある地域』より、『一週間に一日しか落雷の無い地域』の方が安全です。

 危険度 『毎日落雷がある地域』 > 『一週間に一日しか落雷が無い地域』

 しかし落雷の発生数に着目すると『一週間に一日だけ落雷が発生した地域(落雷総数70回)』と『一週間のうち毎日一回落雷がある地域(落雷総数7回)』では『一週間に一日だけ落雷がある地域』の方が10倍もリスクが高いことがわかります。

 危険度 『一週間に一日だけ落雷が発生した地域(落雷総数70回)』 > 『一週間のうち毎日一回落雷がある地域(落雷総数7回)』

 このように、雷のデータからどの地点が太陽光発電にとってリスクがあるのかを識別することができます。

 

例2『落雷日数や密度データ』北陸と関東比較バージョン

 『落雷日数や密度データ』を実際に北陸・関東地方に当てはめて比較してみましょう。

 北陸地方は冬にも発雷があるため、落雷日数に着目するとリスクは

 危険度 「北陸地方」 > 「関東地方」

つまり北陸地方の方が関東地方よりもリスクが高くなります。

 しかし、密度データを見てみると、冬の雷より夏の雷の方が発生頻度は高いため

 危険度 「関東地方」 > 「北陸地方」

つまり関東地方は北陸地方よりもリスクが高くなります。

 このように落雷日数・密度マップを活用することで『どれほど天災のリスクを考慮すべきなのか?』が判ります。これは、事前にどこに太陽光発電施設を設置すべきかを判断するための魅力的な情報のひとつです。

 

設置済み太陽光発電の落雷対策はAPIサービス

 既に設置している太陽光発電には「APIサービス」を活用した落雷対策が行えます。APIサービスでは雷のリアルタイム情報で雷雲の接近を感知することができます。予測情報によって雷雲察知の事前対策を講じ、オペレーションの調整をすることができます。

  

太陽光発電はクリーンな不動資産

太陽光発電施設は貴重な不動資産です。気象サービスを用いて太陽光発電のリスクやコストがどれほどか確認したうえで、設置する必要があります。

 毎年100万円の収益をもたらす仕組みであっても、気象による故障対応で毎年80万円コストがかかるようでは、赤字運営になってしまうでしょう。

 また、落雷の統計情報を細かにみると年によって変動があります。5~10年の統計資料に目を通すことで変化する気象に合わせたリスク管理ができます。太陽光発電はどこに設置してもリスクはありますが、抱えるリスクを減らすことは大いに可能です。過去のデータを活用して、スマートなクリーンエネルギー時代を築いていきましょう。

 

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