雷雨時の危険行動

危険性が極めて高い行動を覚えておきましょう

物を高くかかげることや木のそば・木造建築の軒下での避難はとても危険です。

頭より高く物をかかげる

前項で述べたとおり、雷は電気の通しやすさとは無関係に地面からの突出物に目がけて落ちる性質があります。そのため、傘やゴルフクラブなど長い物を頭より高くかかげた場合と低い位置で携帯した場合では、前者の方がより雷を誘引する効果が増し、自らが直撃をうける危険性が高くなります
実際、過去に発生した落雷事故には、高い位置に掲げたゴルフクラブ、傘、釣竿などが雷を誘引し、直撃をうけたと結論付けられる事例が多数あります。
たとえ雨が降っていても傘はささず、安全な場所に避難する際にも、できる限りその場に置いて移動した方が良いでしょう。

木の下での待機

同じ高さの物体があれば、木も鉄塔も素材によらず落雷を引き寄せる効果は同じです。しかし、鉄塔などの電流を通しやすい物体が雷の電流をそのまま大地へと流すのとは異なり、木は本来電流を通しにくいため、傍に人がいた場合に、より電気を通しやすい人への側撃が非常に起こりやすくなります。この場合、人は直撃を受けたのと同等の電流を体に受けることになり、死亡する確率が極めて高くなります。
落雷時に、枝や葉も含め木の付近に近寄ることは危険行為です。落雷時には、まず木の付近からは速やかに離れるようにしましょう

※大橋正次郎著「電撃傷」には、木の下に立った姿勢で側撃を受けたすべての調査例において、1人以上の死者がでていることが述べられ、その危険性が指摘されています。また、同書の落雷死亡事故状況の調査結果(下記)によると、木の下の雨宿りは、開けた場所での直撃に次いで多く、全体の25%を占めるとされています。

落雷死亡事故発生状況と割合

広く開けた場所 50%
木の下(木からの側撃) 25%
山の裸尾根 12%
その他 11%

裸尾根とは、山の背の低い植物しか生えていない尾根を差す
「雷撃傷(大橋正次郎著)」P73記載をもとに作成

木造建築物の軒下での待機

木の下と同様に、落雷時には雨をしのぐために軒下に入りがちですが、木造建築物の軒下は、建物に落ちた雷の側撃を受ける危険性があります。建物内などに避難した場合でも、落雷の危険が去るまでは、必ず建物の内部から出ないよう注意する必要があります。