屋外での避難行動

落雷の危険が迫った時にできる行動を知っておきましょう

雷の危険を感じたら、まず安全な建物や乗り物の内部に避難しましょう。

落雷時の安全な避難場所/行動

人が、屋外にいて落雷の危険が迫った場合に、最も推奨される避難行動は、安全な場所にいち早く移動することです。
以下は、落雷に対し安全性の高い場所ということができます。

  1. 鉄筋コンクリート製の建物の内部
  2. 自動車や電車・飛行機などの乗り物の内部
  3. 避雷設備の施された建物の内部
  4. 本格的な木造建築物の内部

①②は、ドアや窓がガラスや木材でできていたとしても、全体として金属やカーボンなどの導体(電気を流しやすい物体)でしっかりと囲まれており、落雷の電流がこの導体部分を通って大地に流れ、内部は安全に保たれます。ゴルフ場などに設置されている専用に作られた避雷小屋(③)も、同様の構造で設計されており、内部は安全です。また、本格的な木製建築物の内部(④)も屋外よりははるかに安全です。

<!> 屋外トイレも鉄筋コンクリート製であればおおむね安全です。
<!> 避雷設備のないあずま屋(屋根と柱だけで壁のない建物)や掘建て小屋、テント内はかなり危険です。
<!> ゴルフカートのように内部がむき出しになっている車は、シールド(保護)された空間とは異なります。
   そのため、ゴルフカートは安全な場所には含まれません


電線や木以外の高い物から一定の距離にいれば、雷から守ってくれます。

比較的安全性の高い場所

安全性の高い場所への移動が難しい場合、次に推奨される行動が、屋外で比較的安全な場所を見つけ、その場で適切な姿勢を保つことです。屋外で比較的安全な場所には、次のようなものが挙げられます。

電線(配電線・送電線)の下(保護範囲)

電線(配電線・送電線)は雷をひきつける避雷針に近い役割をするため、その下は、屋外で最も安全性の高い場所ということができます。電線の高度が30m以下(主に配電線)の場合と、それ以上の場合(主に送電線)とで保護範囲が異なります。鉄塔や電柱は金属でできているため(木製の電柱は除く)、その付近もかなり安全と言えますが、念のため2m以内に接近することは避けた方が良いでしょう。
なお、高圧配電線の電柱の高さは一般に10mであり、物体の高さの目安として役立ちます。

高さ30m以下の電線(主に配電線)の保護範囲

高さ30m以上の電線(主に送電線)の保護範囲

高さ5m以上の高い物体の保護範囲

電線(配電線・送電線)の下と同様に、屋外で比較的安全性の高い場所です。この保護範囲においては、人よりも物体の方に雷の電流が引き寄せられ、かつ物体から一定の距離(4m)を保つことで、物体からの側撃も避けることができます。なお、物体が導体(電気を流しやすい物体)であることがわかっている場合には、2mの距離で十分です。

高さ30m以下の物体の保護範囲

高さ30m以上の物体の保護範囲

※1 高さ5m以下の物体に保護範囲はありません
※2 木は、鉄塔などのような導体とは逆に電気を流しにくい性質を持っています。そのため、高い木の付近では側撃を受ける危険性が極めて高く、これに保護範囲の考えは適応できません。落雷時は、木の付近からは即座に離れ、身を低くし、安全な場所へ速やかに移動します。


避難がどうしても難しい場合は、耳をふさぎ、足を閉じてしゃがみましょう。

安全な場所への避難が困難な場合

グラウンドやゴルフ場などの広い敷地内や海や山にいる場合、安全な場所比較的安全性の高い場所へ直ちに移動することが困難な場合があります。
雷は、電気の通しやすさとは無関係に地面からの突出物に目がけて落ちる性質があります。そのため、開けた場所では、人は自らが突出物になることを避けなければなりません。
高い場所からは移動し、木の付近は避け、姿勢を低く保つと共に、身に危険を感じた場合には、図の姿勢をとることで、直撃を回避し、付近に落雷した場合の人体への影響を最小限に抑えることができます。

なお、腹ばいの姿勢は、付近に落雷した際に受ける歩幅電圧による心臓への通電の可能性が高くなり、危険が増大します。よって、腹ばいの姿勢は推奨できません