被害者の応急処置

落雷事故が発生してしまった場合の応急処置です

もしもの時に備え、心肺蘇生法ややけどの手当の仕方を覚えておきましょう。

心肺蘇生法による救命処置の実施

落雷死亡事故のほとんどが、心肺停止による即死です。しかし、心停止や呼吸停止(またはその両方)が認められた場合でも、現場で即座に心肺蘇生法を開始することで、救命の可能性が残されています。心肺蘇生法の実施が早ければ早いほど、救命の可能性が高まり、また救命された場合に重大な後遺症を残す危険性が低くなります。心拍・呼吸の停止が確認された場合、救急隊に引き継ぐかAED(自動体外式除細動器)が現場に到着するまでのわずかな間でも、即座に心肺蘇生法を開始し、絶え間なく継続することが重要です。
心肺蘇生法の講習については、日本赤十字社の各支部他、自治体などで実施しているところが多いので、問い合わせてみるとよいでしょう。
なお、最新のガイドラインでは、胸骨圧迫の継続に重点が置かれ、熟練救助者以外は人工呼吸を省略することが許されています

熱傷(やけど)の手当て

落雷による熱傷は、ほとんどの場合は浅く、治療により完治します。そのため、手当ての優先順位は心肺蘇生法より低いといえます。心停止や呼吸停止(またはその両方)がないことを確認した上で、可能であれば、通常のやけどの手当てと同様に次の処置を施します。

  • 急いで冷たい水、水道水を注いで痛みが取れるまで冷やす。
  • 衣類を脱がさないで、そのまま衣類の上から冷水をかける。
  • 水ぶくれはつぶさず、消毒した布か洗濯した布で覆い、その上から冷やす。

(「日本赤十字社」ホームページより引用)