導入事例

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取材年月:2014年11月

株式会社
ホットスタッフ・プロモーション 様

Introduction

ホットスタッフでは、野外イベントを運営するとき、必ずフランクリン・ジャパンのサービスを使って雷情報を収集し、来場者の安全確保に役立てています
株式会社ホットスタッフ・プロモーション 鯉沼源多郎氏

Profile

株式会社ホットスタッフ・プロモーション (以下 ホットスタッフ)は、コンサートなど各種エンターテイメント・イベントなどの、企画・制作・運営を主事業とする会社です。
2014年期には年間で 1,309 公演を運営しました。
有名な野外イベント、FUJI ROCK FESTIVAL(以下 フジロック)もホットスタッフが運営しています。
設立1978年、従業員数50名、年商53億円。
株式会社ホットスタッフ・プロモーション 鯉沼源多郎 氏に、Lightning Scope+ などフランクリン・ジャパンの雷情報サービスを導入した経緯と、その効果について詳しく聞きました。
活用状況

野外イベントでは、必ずフランクリン・ジャパンの雷情報サービスを活用

ホットスタッフでは現在、フランクリン・ジャパンのサービスをどう活用していますか。

いまホットスタッフでは、野外イベントを運営するとき、必ずフランクリン・ジャパンの雷情報サービスを活用して会場周辺の雷情報を速やかに取得し、お客様の安全を守ることを社内に徹底しています。

今年2014年には、24の野外公演でフランクリン・ジャパンのサービスを活用しました。詳細は次のとおりです。

天気が晴れの場合でも、雷情報システムは必ず使います。特に、山中で実施する野外フェスティバルの場合、「山の天気は変わりやすい」という前提があるので備えは不可欠です。

フランクリン・ジャパンのサービスは、「大規模な野外公演では『Lightning Scope+』」、「日比谷野外音楽堂では『カミナリWeb』」というように使い分けしています。

2014年度 公演/イベントでの活用

公演
フェスティバル名
場所 活用したサービス 実際の雷状況
FUJI ROCK FESTIVAL ’14 新潟県湯沢市
(苗場山中)
Lightning Scope+ 警戒エリア名で
雷が発生
氣志團万博2014 千葉県袖ヶ浦市
(袖ヶ浦海浜公園)
Lightning Scope+ 周辺100キロ内で雷あり
Camp in 朝霧 Jam ’14 静岡県富士宮市
(朝霧アリーナ)
Lightning Scope+ 前日は台風19号が接近。ただし当日は雷なし
トーキョースカジャンボリー vol 4. 山梨県山中湖村
(山中湖交流プラザきらら)
Lightning Scope+ 雷なし
日比谷野外音楽堂での20公演すべて 東京都千代田区
(日比谷野外音楽堂)
カミナリweb

 

大規模イベントは『Lightning Scope+』、日比谷野外音楽堂では『カミナリWeb』

Lightning Scope+とカミナリWebの使い分けの基準を教えてください。

Lightning Scope+を使うのは、フジロックなど「大勢のお客様が、天気が変わりやすい山中に集まる大規模イベント」です。ここではよりリアルタイムに詳細な情報が見られるLightning Scope+が必要になります。

一方、日比谷野外音楽堂での通常公演の場合は、会場が東京都心という、山中と比較すると、天気の急激な変化が少なく目視による判断がしやすい場所であることを考慮し、ここでの雷情報収集には、やや簡易な「カミナリWeb」を用いています。

フジロックの様子

 

イベント運営業務での落雷対策の位置づけ

ホットスタッフでは、イベント運営業務の中で、落雷対策をどう位置づけていますか。

野外イベントに影響をもたらす悪天候としては、「豪雨、暴風、落雷」の3つが挙げられます。

このうち、まず豪雨ですが、これは機材に対する悪影響はあるものの、お客様の生命の安全に「直接の危険」はありません
(雷を伴うほどのゲリラ豪雨になると危険ですが、これは結局、『雷の危険』に集約されます)。

次に暴風、特に台風ですが、これはやや危険ではあるものの、上陸の数日前から気象庁から情報が入手できるので、
ある程度、余裕をもって対策を練ることができます。

最後に落雷ですが、これはお客様の生命に対し直接の危険があります。また雷は豪雨や暴風に比べ、
「特定の場所に、前触れもなしにいきなり落ちてくる」という性質があるので、これに対応するには、気象庁が発表する全体的な情報だけでなく、イベント会場近辺に特化した、詳細かつリアルタイムの情報が必要になります。

お客様の安全確保のために最も重要なのは落雷対策です。

選択理由

無料情報による対策の限界

Lightning Scope+を導入する前は、雷情報をどのように入手していたのですか。

弊社が運営する野外イベントの中で最大規模となるフジロックを例に説明すると、Lightning Scope+を導入する以前は、電力会社が無料で提供している雷情報を参考にしていました。

電力会社は、山中に建つ送電塔を始めとする送電設備の安全を確保するために、自社で独自に雷情報を収集しており、この情報がホームページ上で無料公開されているので、最初はこれを参照していたわけです。

しかしホームページ上の情報は現場の状況と10分以上のズレがあり、対象地域も広範囲なので、
「イベント会場近辺の、今の雷状況」を知るには内容が不十分でした。無料の情報にはやはり限界があるわけです。

こうした課題を感じていたときに、取引先のステージ設備会社から「ここ、いいですよ」と紹介されたのが、フランクリン・ジャパンでした。

ホームページを見ると、雷対策を専業にしており、なるほど良さそうです。
その他の競合サービスも調査しましたが、Lightning Scope+の方が野外イベントでの活用に適していたので、こちらを選択しました。

 

Lightning Scope+が野外イベントでの活用に適している理由

「Lightning Scope+の方が野外イベントでの活用に適していた」とは具体的には。

Lightning Scope+の方が競合製品に比べ、運用が圧倒的に簡単でした。

比較候補となった他の製品は、「雷検知アンテナを貸し出すので、イベント現地でそれを建ててほしい。そうすれば現地周辺の雷情報が分かる」というものでした。

この仕様の場合、いちいちアンテナを借りて設置して、イベントが終わったら撤去して返却してという手間が生じます。
こんなに手間が多いのでは、忙しい野外イベント現場では使えません。

一方、Lightning Scope+の方はアンテナなど物理的な装置は不要で、ネット接続されたパソコン一台あればすぐに使えます(※)。
イベント現場は、いろいろな作業で目が回る忙しさなので、運用の手間は少ないほどよい。

雷情報の詳細さ、精密さ、情報の見やすさの点でも、Lightning Scope+の方が優れていたので、こちらを採用することに決めました。

※現場のインターネット回線を利用するため、事前のチェックが必要になります。
効果・評価

Lightning Scope+の運用形態

現在のLightning Scope+の運用形態を教えてください。

Lightning Scope+の運用形態は次のとおりです。

Lightning Scope+の運用形態

1 社内に、Lightning Scope+がインストールされた「雷情報を見るための専用ノートパソコン」を一台、用意します。

2 野外イベントがあるときには、フランクリン・ジャパンに事前に連絡して、「地点設定CD」を取り寄せます。

3 このCDを使って設定すれば、Lightning Scope+の雷情報の表示画面で、イベント現地が画面中心に表示されるようになります。
たとえばフジロックのときには苗場の現地が、朝霧JAMのときには富士宮市のイベント現地が情報画面(地図)の中心に来ます。

4 イベント当日は、このノートパソコンを現地に持参します。
イベント中は、ノートパソコンは常時ONにして、雷情報を表示し続け、適宜のぞき込んで、雷情報を得ます。

 

Lightning Scope+への評価

Lightning Scope+を実際に使ってみて分かった良さについてお聞かせください。

Lightning Scope+の「使ってみてあらためて実感した良さ」は次のとおりです。

Lightning Scope+の「良さ」

1 「情報が詳細でしかも見やすい → すぐに判断できる」

2 「雷の危険をチャイム音で知らせてくれる」

3 「警戒エリア、注意エリアを自分で設定できる」

4 「雷情報以外の天気の事も分かる」

5 「情報が『自分のいる場所中心』で分かる」

6 「操作が簡単、誰でも使える」

 

情報がすぐ分かる

良い点1.「情報が詳細でしかも見やすい → すぐに判断できる」とは具体的には。

Lightning Scope+の雷情報は、雷の発生場所や発生頻度(今、どこで、どのぐらい雷が鳴っているのか)、雷雲の現在の位置や今後の動向(雷雲は、今、どこにあり、これからどうなるのか、こちらに向かっているのか、それとも離れていこうとしているのか)などが、一つの表示画面(絵)で、イッパツで分かります。

絵で分かるというのは素晴らしい。画面をパッと見ただけで、「オッケーだね」、「要注意かな~」、「あ、ヤバい」などの状況判断が、一瞬でできます。

この「一瞬で判断できる」というのは、多忙なイベント運営現場では非常に助かります。

7月17日18時30分頃のフジロック会場中心の雷状況

危険を音で知らせてくれる

良い点2.「雷の危険をチャイム音で知らせてくれる」とは。

Lightning Scope+では、雷の発生を音声(チャイム音)で知らせてくれる機能があります。
イベント運営中は、パソコン画面をずっと見ているわけにはいかないので、この機能は助かります。

警戒エリアが自由に設定できる

良い点3.「警戒エリアと注意エリアを自分で設定できる」とは。

Lightning Scope+ではイベント現地から、同心円で何キロ以内を警戒エリア(あるいは注意エリア)とするかを自分で設定できます。
この機能を使えば、野外イベントの開催地の立地特性、つまり、そこが山中なのか、海辺なのか、市街地なのかなどに合わせて、エリアを適切に設定することが可能になります。

総合的な気象情報が分かる

良い点4.「雷以外の天候の情報も分かる」とは。

Lightning Scope+を使えば、雷以外に、雨雲や台風など総合的な気象情報を知ることができます。
イベント現場では「気象情報が必要なときはLightning Scope+を見る」、というようにスタッフの行動を一本化できます。

情報(地図)をイベント会場を中心にして表示できる

良い点5.「情報が『自分のいる場所中心』で分かる」とは。

今年9月に開催した朝霧JAMの時には、台風19号が接近してきました。
この時は、気象庁の情報よりも、Lightning Scope+の情報画面の方が役に立ちました。

というのも気象庁の情報では、一般的な日本地図上に台風の位置が示されているのに対し、Lightning Scope+ではイベント現地が地図の中心に来るので、現地が暴風圏に入る時刻、暴風圏から外れる時刻、あるいは台風の目が会場から何キロ離れた場所に あって、これからどう動いていくかなどの情報が、画面(絵)を見ただけで直感的に把握できたからです。

イベント運営者に必要なのは、汎用的な気象情報、雷情報ではなく、あくまでも「自分たちのイベント現地の周辺の雷、気象情報」です。
その意味で、イベント現地が情報画面の中心に来るLightning Scope+はとても便利です。

操作が簡単

良い点6.「操作が簡単、誰でも使える」とは。

短期勝負の野外イベント運営で使うシステムは、「単純で誰でも使えること」が重要です。
操作が複雑だと使いこなせないスタッフが出てくる可能性があります。

Lightning Scope+は、画面を見た瞬間に、「赤だから危ないんだな」というように、誰でも状況を把握できます。
操作方法も、「直感でボタンを押せば、だいたい思 い通りに動かせる」という仕様で、コンピュータに詳しくないスタッフでも、簡単に使いこなせるので、良いと思います。

展開・期待

先輩ユーザーからのアドバイス

現在、雷情報システムを検討しているイベント会社に向けて「先輩ユーザー」としてアドバイスなどあればお聞かせください。

私たちが雷情報システムを選ぶときは、「運用のしやすさ」、「情報量」、「コスト」を基準にしました。その基準で考えた場合、Lightning Scope+は相当に良いシステムではないでしょうか。

個人的には他のイベント会社にもおすすめです。

 

今後の期待

フランクリン・ジャパンへの今後の期待をお聞かせください。

ホットスタッフでは、今後も、イベント来場者の安全確保のために様々な取り組みを強化していく所存です。
フランクリン・ジャパンには、優れた雷情報サービ スの継続提供を通じて、ホットスタッフの安全向上の取り組みを後方支援していただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。

ホットスタッフ・プロモーション様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

取材制作: カスタマワイズ