導入事例

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取材年月:2023年09月

株式会社ユーラステクニカルサービス 様

Introduction

株式会社ユーラステクニカルサービス様は、操業中の⾵⼒発電所の安定稼働を目的として「Lightning Scope+」を活用しています。

Profile

再⽣可能エネルギー開発をグローバルに展開するユーラスエナジーグループの⼀員として、国内で展開中の⾵⼒・太陽光発電所の運転および保守管理の機能を担う株式会社ユーラステクニカルサービス。 全国15カ所に事業所を有し、運転・保守管理担当による常駐と、東京本社からの支援、地域の協⼒会社との協働により、安定した電⼒供給を実現しています。
同社のご担当者さまに、Lightning Scope+を導入した背景や活用方法をお聞きしました。
活用状況

落雷監視の目的

「Lightning Scope+」で落雷監視を行う主な目的を教えてください。

当社では、北は北海道から南は鹿児島まで、15の事業所を展開し、2023年8月時点で稼働する合計371基の風車の運転・保守管理を担っています。Lightning Scope+は、それらの風車の運用において、安全性を担保する目的で2014年に導入しました。

風車が設置されている沿岸部は、強い風が吹きやすいと同時に、天候が変化しやすいという地理的な特性があります。言わば、風車の稼働によって得られる恩恵と、落雷の危険性は表裏一体。我々のミッションとして、風車を安定的に稼働させる一方で、気象状況を監視して適切なタイミングで稼働を停止し、効率的かつ安全な風車の運用に努める必要があります。

 

運用方法

Lightning Scope+」の運用方法を教えてください。

Lightning Scope+は、各事業所と、東京本社にある監視センターで異なる運用をしています。

各事業所では、風車のメンテナンスを行う現場の作業員が、事務所のパソコンでLightning Scope+を活用しています。メンテナンスの際は作業員が風車内に立ち入るため、作業中に落雷が起こると大変危険です。Lightning Scope+で落雷の傾向を事前に捉えたうえでメンテナンスのスケジュールを検討するとともに、当日の作業実施可否を判断しています。また、オプションとしてLightning Station(別サービス)を併用し、モバイル端末でも監視しています。

本社の監視センターでは、「多地点監視オプション」を利用し、公道や建物、民家に近い場所に建つ風車72基を「要管理風車」と位置付け、全国の要管理風車を24時間365日、一元的に監視しています。Lightning Scope+の落雷リアルタイム情報で風車ごとに定めた監視エリア内に落雷発生を検知した場合、風車の稼働を停止。その後、一定時間落雷の発生がないことを確認して、稼働を再開します。


▲監視センター室内。右上のモニターにLightning Scope+の画面が表示されている。

以前は各事業所で稼働の停止・再開の判断を行っていましたが、現場作業員の負荷軽減を目的として、2016年に監視センターを新設し、メンテナンスと監視の業務を切り分けています。

選定理由

選定の決め手

落雷監視の方法として「Lightning Scope+」を導入した“決め手”を教えてください。

選定の際は気象庁が提供する落雷情報とLightning Scope+を約2年間、並行して運用しました。比較検討の結果、監視の精度が高く、検知した落雷情報をアラーム機能でわかりやすく通知できるLightning Scope+を選びました。

また、蓄積された過去の落雷情報を、監視エリアのカスタマイズに活用できるところもLightning Scope+の魅力です。監視センターでは複数の風車を監視していますが、地域ごとに発生する雷雲の大きさや移動速度が異なります。Lightning Scope+を正式導入する際はフランクリン・ジャパンさんからこれまでの統計情報を提供していただき、各地域に合わせて監視エリアの広さや、落雷検知後の稼働停止時間を設定できました。

評価・展望

評価

「Lightning Scope+」を使っての評価をお聞かせください。

落雷の検知率は、時期にもよりますが夏場だと80〜90%と非常に高精度です。当初は各事業所でLightning Scope+を使い始め、その有用性を確認できたことから、監視センターでの一元監視という運用に発展しました。

「多地点監視オプション」によって、監視画面では全国地図で各エリアの状態を閲覧でき、なおかつ落雷の発生時は地点ごとのアラートで確認できます。大変わかりやすい画面表示ですので、一人の担当者で監視でき、なおかつ担当者が変わっても同じ基準で風車の稼働停止や再開の判断ができます。

Lightning Scope+を使って風車の稼働監視体制を本社に集約することで、各事業所の現場作業員はメンテナンス業務に集中でき、なおかつ業務時の安全性も担保できるようになりました。


▲落雷リアルタイム監視画面(特注オプション:多地点監視)
日本地図上の赤丸が各ウインドファームの監視エリア。監視エリア内に落雷が検知されると、左の監視リストにアラートが表示される。

 

展望

最後に、貴社の展望やフランクリン・ジャパンへの今後の期待をお聞かせください。

当社ではこれからも風力発電所を増やし、地球にやさしいエネルギーの安定供給を通じて日本の未来を支えるお手伝いをしていきます。Lightning Scope+で落雷監視すべきエリアも拡大していくと思いますので、フランクリン・ジャパンさんには引き続きの支援や、雷情報のさらなる精度向上を期待しています。

 

※本記事に記載の事業所数や風車の基数は20238月時点の情報です。

ユーラステクニカルサービス様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

取材制作: カスタマワイズ