導入事例

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取材年月:2022年05月

ENEOS麻里布製油所様

Introduction

ENEOS麻里布製油所様は、工場の安定稼働を目的として「Lightning Station」を活用しています。

Profile

山口県の最東端に位置する和木町で、70年以上にわたり、私たちの生活に欠かすことのできないエネルギーを安定供給し続けているENEOS麻里布製油所。原油を処理し、ガソリンや軽油として製品化。660,000平方メートルの広大な敷地面積を有し、国内トップクラスの競争力を誇る製油所です。
ENEOS麻里布製油所の現場担当者の方々に、Lightning Stationを導入した背景や活用方法をお聞きしました。
活用状況

監視の目的

「Lightning Station」で落雷監視を行う主な目的を教えてください。

当所は日頃、電力会社と系統連携して工場を動かしています。そのため、電力会社の送電線に落雷があった場合、電力の品質が下がり、工場の装置が止まってしまう可能性があります。一日に最大120,000バーレルという量の原油を処理する工場ですので、数日稼働が止まってしまうだけでも億単位のロスにつながってしまう可能性があるのです。

そうしたリスクを回避し、工場の安定稼働につなげるために「Lightning Station」で電力会社の送電線が広がるエリアの落雷を監視しています。

 

運用方法

「Lightning Station」の運用方法を教えてください。

Lightning Station」を主に使っているのは、全ての装置の稼働状況を24時間365日体制で管理する「統合管理室」です。

●統合管理室における雷監視の運用手順

1. 「Lightning Station」の監視エリア内で落雷発生予測が出ると、連動した警告灯「メル丸くん®※※が点灯。同時にアラームが鳴る。
2. 警告灯の点灯かアラームを確認した班員が「落雷リアルタイム」画面で監視を開始。
3. 監視エリア内で落雷が発生したら、ただちに班長に報告。
4. 班長の判断により、班員が電力の遮断器を作動し、自家発電に切り替える。
※雷発生危険度と雷雲移動方向による発雷予測
※※特定のメールを受信したときに、警報音を鳴らしたりランプを点灯する機器。株式会社アイエスエイの商品。
「メル丸くん®」について詳しくはこちら。(株式会社アイエスエイのページに移動します。)

●自家発電を解除する判断

監視エリア内で落雷が発生しておらず、注意の予測がないことが確認できた場合、自家発電を解除する。
※雷ナウキャストおよび雷雲移動方向による発雷予測

「Lightning Station」による落雷監視の運用については、どのような基準で自家発電への切り替えと切り戻しを判断するのか、詳細にマニュアルにまとめています。そのため、人によって判断が変わることなく、誰でも迅速な対応が可能です。

選定理由

導入以前の課題

「Lightning Station」の導入以前はどのような方法で落雷監視をしていましたか?

もともとは電力会社が取引先の事業者に向けて提供する落雷情報を活用していました。しかし、電力自由化に伴い、電力会社による落雷情報の提供がなくなってしまったのです。

そこで、別のサービスを探す必要が出てきました。

 

他社製品との比較

落雷監視サービスの導入にあたり、他社製品との比較検討はされましたか?

まずは近隣の企業や所内の有識者に、どんなサービスを使っているのか、どんなサービスがあるのかをヒアリングしました。そのうえで、いくつかのサービスをピックアップし、一覧表にまとめてどれが最も要件にマッチするのかを検討していきました。

 

選定の決め手

「Lightning Station」を選んだ“決め手”を教えてください。

一番の決め手は、監視エリアを細かく設定できることです。

私たちが監視をしたいのは、工場周辺ではなく、落雷によって電力会社の設備が被害を受ける場所。つまり、送電線の付近です。電力会社が提供していた落雷情報はまさにそのエリアをカバーするものでした。

他社のサービスの場合、監視エリアは「ポイントから円状で半径●キロ」といった設定しかできません。一方「Lightning Station」は柔軟にカスタマイズでき、電力会社の送電線上を監視できるように細かく設定してもらえました。

また、他社のサービスよりも雷発生危険度の精度が高いのもポイントでした。雷雲が発生する可能性について「有」か「無」かだけでなく、「有」の場合に可能性が「高い」のか「低い」のか、強度までわかります。

もうひとつ、オプションで注意や警戒を知らせる警告灯ランプがつけられたことも「Lightning Station」を選ぶ決め手になりました。統合管理室の班員は天候だけを見ているわけではなく、工場全体の装置の稼働状態を監視しています。そのため、メールで落雷情報が届くだけでは見落としてしまう可能性が大いにあります。また、騒音の響く工場内ではアラームが鳴ってもその音に気付けない場合もあるでしょう。それに、監視エリアは遠いところだと工場から数十キロも離れています。そのため、こちらの天候が良くても、突然監視エリアで落雷が発生する場合もあるのです。こうしたことから、多忙な班員が統合管理室内で、予期せぬ落雷発生予測にもすぐに気付けるよう、警告灯がとても有効に機能しています。

効果・評価

評価

これまで「Lightning Station」を使っての評価をお聞かせください。

2019年に「Lightning Station」を導入してから、毎年20回くらい、特に雷が多発する6〜8月頃の間で雷の発生を観測し、自家発電に切り替えています。

予測が外れて落雷に気付けなかったということはありません。

それまで10年以上使っていた電力会社の落雷情報からの移行ということで、最初は同じように使えるか不安でした。しかし、我々の要望にも的確に対応していただき、監視の精度と営業さんのサポート力の両面で非常に満足しています。

展望・期待
フランクリン・ジャパンへの今後の期待をお聞かせください。

現在、工場で働く作業員の安全対策としても「Lightning Station」の活用を検討しており、近いうちに導入予定です。
これからも、フランクリン・ジャパンさんのお力を借りながら、より安全で安定的な工場の稼働を実現し、石油エネルギーの創造を通して社会の発展に貢献していきたいです。

ENEOS麻里布製油所様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

取材制作: カスタマワイズ