導入事例
取材年月:2025年04月
「Lightning Station」を使用して、雷の監視を行っています。営業中は常時稼働させ、雷が近づいてアラートが鳴ると、雷雲の発生場所や落雷の有無を確認し、社内で設けた基準に従って園内全体に指示を出します。
「Lightning Station」による落雷監視の目的は大きく分けて3つあります。1つ目は来場者の安全確保、2つ目はアトラクションの故障の未然防止、3つ目は明確な判断基準による運用ができることです。アトラクションへの落雷が電気系統に影響を与えると、アトラクションが運行中に停止するリスクがあり、来場者の満足度も極端に下がってしまいます。また、来場者が乗車中に停止すると救助の難易度が上がるため、事前にそういった事態を防止しなければなりません。

落雷中断基準(サンダーレベル)を3段階で設定し、運用しています。サンダー1は雷注意報が出て30㎞圏内で落雷が発生し、こちらに向かってきている状態です。サンダー2とは15㎞圏内で落雷が発生している状態で、対象アトラクションに新規に並ぶことをお断りし、すでに並んでいる来場者の乗車が終わり次第一時運休します。サンダー3は数㎞圏内で落雷が発生した状態で、並んでいる来場者も含めて即時中止して避難誘導を行います。
以前は非常にアナログな方法で対応していました。雲行きが怪しくなってキャストから稲光の報告が上がると上空を監視し、稲光を確認したら「1、2、3、4、5」とカウントして5秒以内に雷鳴があれば近いと判断するという方法でした。しかしこの方法では、いきなり落雷があった場合に対応できず、アトラクションの再開判断も難しい状況でした。
また、社内外への説明のためにも明確な基準が必要でした。人の感覚だけでは判断にばらつきが生じますし、「今日は大丈夫な気がする」といったあいまいな判断は避けなければなりません。
テーマパークEXPOというイベントでフランクリン・ジャパンのブースを訪れたときに、雷を事前に確認できる「Lightning Station」を知ったことが導入のきっかけとなりました。
当時、信頼できる落雷監視サービスは「Lightning Station」以外にほぼ存在しなかったと思います。テーマパークEXPOで「Lightning Station」を知った時点で、これは絶対に導入すべきだと判断しました。
やはり明確な判断基準が作れることです。それまでのアナログな方法では、「何を基準に運営を中止したのか」という説明が難しく、人による判断のばらつきがありました。「Lightning Station」を導入することで、客観的かつ明確な基準で来場者や従業員に避難の理由を説明できるようになりました。
「Lightning Station」は雷雲の方向や落雷した場所からの経過時間が把握できるので、単に中止するだけでなく、いつ再開できるかの判断もデータに基づいて行えます。落雷中断基準がサンダー2からサンダー1に移行して10分以上経過すれば運行再開するといった基準を設けて、パークを安全に運営できるようになりました。
また、コスト面での妥当性もあります。導入費用もリーズナブルな印象で、得られる安全性や運営上のメリットを考えると、費用対効果は十分だと判断しました。

導入して本当に良かったと感じています。
明確な基準ができたことで、プールなど特に危険度の高いエリアでも統一した基準で対応できるようになり、来場者の安全確保と避難誘導の精度が上がりました。
また、遊具の故障を未然に防止することで、雷による電気系統への影響を事前に避けられるようになったため、アトラクションの突然停止といったトラブルが減少しました。
そして落雷監視による中断で、「なぜアトラクションを中止したのか」といった質問に対して、客観的なデータに基づいて社内外に向けた説明責任を果たせるようになりました。
「Lightning Station」の導入は7月から9月までの夏期限定利用でスタートしましたが、実際には10月や12月にも雷は発生するため、通年利用に切り替えました。また、当初は1~2ライセンスでしたが、現在は5ライセンスを導入しています。これにより、本部オフィスだけでなく、ショーの開催を判断するエンターテインメント部など他の重要な部署でも直接モニタリングできるようになりました。各部署が必要に応じてタイムリーに情報を確認できる体制が整い、雷が頻発する時期には社長を含む多くのスタッフが同時に状況を把握しています。
特に評価しているのは、「Lightning Station」がWebサービスとして常に進化している点です。導入当初より現在は格段に機能が向上して、風向きと雨雲を同じ画面で確認できるようになり、雷発生危険度の予測も動的に表示されるようになりました。最近では1時間先までの予測がアニメーションで確認でき、「何時何分頃に危険エリアに雷雲が入ってくる」という時系列表示も追加されて、さらに使いやすくなっています。
フランクリン・ジャパンへの期待としては、風のモニタリング機能のさらなる強化があります。雷だけでなく、風の影響も私たちのテーマパーク運営には非常に重要です。特に花火やパレードなどのイベント判断において、風速や風向きの情報は欠かせません。
これまでもシステムが定期的に改良され、使いやすくなってきたので、今後も気象モニタリングの精度や利便性が向上することを期待しています。
NEWレオマワールド様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
取材制作: カスタマワイズ