雷とは?

雷とはどのような現象なのか、簡単にご説明します

雷をもたらす雲は、雷雲・積乱雲・入道雲と呼ばれています。

夏の午後、ゴロゴロという雷の音を聞いたり、ピカッと光る雷の光を見たり、また激しい雷雨にあった人は多いと思います。

私たちにとって身近な現象である雷は発達した積乱雲によりもたらされます。
積乱雲は、夏によく見られるもこもことした背の高い雲です。
俗に「雷雲」(らいうん/かみなりぐも)「入道雲」とも言われ、その高さは1万5000mまで達することもあります。
雷の発生とともに激しい雨を降らせ、雹・突風・竜巻などを伴うこともあります。

 

雷は巨大な放電現象です。

雲が発達すると雲内で氷の粒がこすれあって静電気が起こり、雲の上層と下層で電荷が偏ります。
この偏った電荷を中和するため、雲から地面に向かって放電します。
これが、落雷(対地放電/対地雷)です。

なお、放電現象は雲と地面との間だけでなく、雲の中や雲とまわりの空気の間でも起こっています。
これを「雲放電」と言います。

― 詳しい説明は「積乱雲の一生」「雷のメカニズム」を参照してください。

 

雷の光と音は、それぞれ雷の電気と熱によるものです。

雷の現象には、雷の光だけ見られる「雷光」(稲妻/英語では、lightning)、雷に伴うゴロゴロという音だけ聞こえる「雷鳴」(英語では、thunder)、雷の光と音が観測される「雷電」があります。

「雷光」は、雷の電気が流れる経路が発光することによります。
また、「雷鳴」は、雷の高熱により急激に空気が膨張し、衝撃波が発生することによっておこります。

ちなみに、雷により熱せられた空気は約2万7700℃まで達します。
これは、太陽の表面温度の4倍近い温度に相当し、かなりの高温であることがわかります。

 

雷は夏だけではなく、冬にも発生しています。

「雷」は夏の季語になっていますが、夏のみの現象でしょうか?

こちらのページで月別の落雷数を見てみると、たしかに7・8月が最も落雷数が多く、雷は夏の風物詩と言えそうです。
しかし、数は少ないながらも冬にも雷は発生しているのが分かります。

冬に発生している雷は「冬季雷」と呼ばれ、日本海側の地域で発生している世界的にもめずらしい雷です。
落雷日数を見ると日本海側の沿岸部が突出して多いのは、「冬季雷」によるものです。

このように、全国的に雷の状況を見ると日本では一年を通してどこかの地域で雷が発生しており、夏に限られる現象ではないようです。


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