導入事例


取材年月:2014年03月
当コースでは、Lightning Scopeを使って、雷情報および、その他、雨、風、雲、気温など
気象情報を収集しています。
Lightning Scopeを活用している意義は、「お客様の安全確保」、「コースの円滑な運営の支援」、「お客様対応の質の向上」の3点です。
なお、2年前、2012年にはLightning Scopeの契約を一時停止し、
他社の雷情報システムを使うことにしました。
しかし、そのシステムは1年弱で解約。2013年からは再びLightning Scopeを利用し始めました。
ゴルフを行う場所(いわゆる「グリーン上」)の地理的条件は、「山の中の、周囲を木に囲まれた広い平坦地」と表現できます。しかし、そうした場所は、雷が落ちやすい場所でもあります。
ゴルフ場を運営するにあたっては、お客様を雷から守れるよう、
十分な体制を構築する必要があります。
1 Lightning Scopeを搭載しているパソコンはスタート室にあります。Lightning Scopeは、営業時間中は常に起動しています。
2 半径20km~半径10kmの間の「注意区域」で落雷が発生した場合、Lightning Scopeから注意報音が鳴ります。
3 注意報を認識した「管理職(※)」は、直ちに「GPSカート運行管理システム」が動作しているパソコンのところに行き、画面上の「カミナリ注意」のボタンをクリックします。
※ 管理職とは、原則として、座間 営業支配人あるいは中島営業マネージャーのいずれかです。両名が不在の場合は、別の「管理職代行者」が指揮をとります。
4 そのクリックにより、プレー中のお客様近くのカートのスピーカーから「雷の危険があります。十分ご注意ください」というアナウンスが流れます。なお、このアナウンスは、お客様への「注意喚起」が目的であり、この時点では、お客様はプレーをやめる必要はありません。
5 スタート室では、「注意報」の次の、来たるべき「雷警報」に備えます。管理職は、スタッフへ指示、連絡を行い、人の配置など「準備作業」を行います。同時に管理職は、Lightning Scopeの画面を見て、雷雲や風向きなどの周辺気象状況を把握し、今後の落雷について見通しを立てます。
6 その後、半径10km以内の「警戒区域」で落雷が発生したならば、Lightning Scopeから、警報音が発せられます。
7 警報を認識した管理職は、スタート室スタッフに避難指示をし「GPS カート運行管理システム」にて、「カミナリ退避」のボタンをクリックします。お客様近くのカートのスピーカーからは、それに呼応して、「雷警報が発令されました。プレーをやめ、至急避難してください」というアナウンスが流れます。
8 各カート無線にてお客様より最寄の避難場所の問合せが殺到しますので、スタート室スタッフは「GPSカート運行管理システム」にて現カート位置を確認し、無線にて的確に避難箇所を連絡します。
9 各スタッフは、プレー中のお客様が安全に避雷小屋、茶店に避難したかを巡回し確認します。お客様の位置は、「GPS カート運行管理システム」を通じて把握します。
10 その後、管理職は、Lightning Scope画面を通じて、落雷、雨雲、風向きなどの情報を収集し、「今後の雷の動向」を判断します。
11 管理職が「危険は去った。もう大丈夫」と判断した場合は、スタート室に指示し「GPSカート運行管理システム」の「プレー再開」ボタンを押します(※)。さらに、各スタッフが危険個所等の安全確認を行い、各避雷小屋、茶店を巡回し、順次プレーの再開をアナウンスします。
※ このときカートのスピーカーからは「雷の危険はなくなりました。コースに戻り、プレーを再開してください」という音声が流れます。しかし、このときお客様は茶店や避難小屋に退避しており、カートの音声は聞こえません。したがって巡回によるアナウンスを行う必要があります。
ゴルフ場は、「自然の中、空の下でお客様にプレーを楽しんでいただく施設」なので、それを運営するスタッフは、気象状況について、常に正しく認識(予測)できている必要があります。
今日、あるいは明日、一週間後に、気温は上がるのか、下がるのか、雨は降るのか降らないのか、風の強さは、向きはどうなるのか、刻一刻と変わる気象情報を正確に認識し、天気の変化を先取りして行動すれば、ゴルフコース全体を円滑に運営することが可能になり、顧客満足度が向上することが期待できます。
では、その重要な気象情報をどうやって知るかですが、当コースでは、あらゆるスタッフが、「天気の情報が必要なときは、Lightning Scopeが起動しているパソコンのところに行く」ことになっています。 当コースにとってLightning Scopeは、「雷のときだけ使うシステム」ではなく「スタッフ全員の、ふだん使いのシステム」なのです。
ゴルフ場の場合、そもそも来場するお客様が、天気や風のことを気になさっています。
ゴルフは、風の強さや天気により、楽しくプレーできるかどうかが左右されるからです。
また、房総半島の南部に位置する当コースには、神奈川県からフェリーでいらっしゃるお客様も多く、その場合は海が荒れないかどうか、やはり天気の情報が気になります。
ですから予約の電話をかけてきたお客様から、「今度の日曜日に予約したいのだけど、天気はどう?」という質問を受けることも頻繁にあります。このとき、電話を受けたフロントスタッフは、直ちに的確にお答えできなければいけません。
このような場合、フロントスタッフは、「しばらくお待ちください」と言って、いったん電話を保留し、Lightning Scopeを見に、スタート室に行きます。Lightning Scopeの画面を通じて気象情報を瞬時に把握し、その後、フロントに戻って電話を再開し、お客様に天気の見通しをお伝えします。
また、プレー中のお客様から、「いま空模様が怪しいんだけど、もうすぐ雨になるのかな?」と聞かれることもあります。そんな時には、お客様と一緒にスタート室に行き、お客様に、直接、Lightning Scopeの画面を見ていただきます。そして、「三浦半島の方に雨雲がありますね。やや強い風は南西から吹いているので、この分だと、あと1~2時間でここも雨が降るかもしれません」というように説明します。
Lightning Scopeの情報画面はテレビの天気予報のように分かりやすく、雨雲や雷など気象状況が一目で分かります。言葉だけで対応するよりも、実際に画面を見せて説明した方が、お客様にも、よくご納得いただけます。Lightning Scopeを適切に活用することで、お客様対応の質を向上させることができます。
以上、Lightning Scopeの導入意義3点について説明いたしました。
Lightning Scopeは、2001年、当コースが新規オープンしたのとほぼ同時に導入し、以来、10年以上にわたり、「ふだん使いのシステム」としてスタッフ全員で愛用してきました。
しかし、冒頭にも述べたとおり、残念ながら2年前、2012年には、契約を一時停止し、別製品を使用することになったのですが。
契機となったのは、2011年の東日本大震災です。震災の影響を受けて当コースでも売上げが急減し、経費等の見直しを図る為、コスト削減の一環として、雷情報システムも見直すことになりました。そんな時、より価格の安い他社製品のことを知ったので、そちらを使うことにした次第です。
しかし結局、その製品は1年も使わないまま、翌年はまたLightning Scopeを使うことになったのですが。
その他社製品には、現場から「強い不満の声」が上がったので、再びLightning Scopeに戻りました。不満の内容は、大きくは「情報を表示する画面が狭い、情報が少ない」ことと、「雷以外の気象情報が見にくい、ワンクリックが必要」という2点です。
「情報を表示する画面が狭い、情報が少ない」とは、具体的には。
その製品は、Lightning Scopeに比べて、情報を表示する画面が、極度に小さいものでした
具体的には、Lightning Scopeが房総半島から相模湾、伊豆半島まで広い範囲が見渡せるのに対し、その製品では当コースから半径40キロしか表示できませんでした。つまり、情報画面の中には、富津のまわりと東京湾と三浦半島の先端だけしか映りません。
しかし、当コースの場合、重要な情報は、「南西の海上、東京湾の出口から、相模湾あたりの雨雲状況」なのです。この近辺の雨雲が、西風に乗って、1~2時間後に富津に来て、雨を降らすことがしばしばありますから。
その現場ニーズに対し、この製品では「半径40キロの狭い範囲のこと」しかわかりませんでした。しかも、その画面の狭さは、「その製品の根本的な仕様による制限」であり、バージョンアップによる修正も困難であるようでした。
情報画面が狭くなったことで、「コースの円滑運営のための気象情報の収集」や「お客様対応」に支障が出るようになり、現場からは強い不満の声が出ました。
Lightning Scopeでは、雷、雲、風、雨など、あらゆる気象情報を一つの画面にまとめて表示することができました。
一方、他社製品では、最初の画面には、雷の情報しか表示されておらず、他の気象情報を知るには、ワンクリック、ツークリックの操作が必要でした。
「ワンクリックぐらいたいした手間ではない」という考え方もあるかもしれません。しかしゴルフ場での、非常時の雷対応、あるいはお客様への電話対応の際には、一秒の無駄もなく、よどみなく、速やかに行動できる必要があります。
その一刻を争うときに、いちいちクリックして画面表示をじっと待つというのは、その手間の分だけ、作業効率が低下し、お客様の安全確保や、問い合わせへの速やかな返答などで、遅れが生じます。
最近は、どこのゴルフ場もおそらく同じだと思いますが、当コースもまた、最小限の人数で運営しています。それでも、お客様へのサービスレベルを落とさないよう運営するには、情報システムによる後方支援が必要です。しかし、他社製品では、それが不十分でした。
このように現場から、「これでは仕事にならない」という強い不満の声が上がったため、本社と相談の上、再び、Lightning Scopeに切り替えることを決めた次第です。
Lightning Scopeは、「情報画面が見やすいこと」、「一度に表示される情報が多い」など、ユーザーインターフェースが優れていると思います。使いやすいです。
雷情報の精度、つまり雷の落ちた位置や時刻の情報も、とても正確です。当コースは高台にあるので、遠くに落ちた稲妻が見えることもありますが、Lightning Scopeを見ると、確かに稲妻が光ったその方向に落雷マークがついています。さすが高精度だなと感心しています。
最後にフランクリン・ジャパンは、「アフターサービス」もよいです。たとえば、雷警戒のためのポスター、これ、とても重宝しています。
雷の危険から身を守るためには、正しい知識が必要です。しかし、お客様の中には、「大きな木の下なら安全」、「カートに乗っていれば大丈夫」など間違って思い込んでいる方もいらっしゃいます。
フランクリン・ジャパンのポスターは、お客様に、雷から身を守るための正しい知識を、わかりやすく伝えるのに役立ちます。クラブハウス内や茶店、避雷小屋などお客様の目のつくところに貼っています。
東京ベイサイドゴルフコースでは、今後ともお客様第一のゴルフ場として努力していく所存です。
フランクリン・ジャパンには、今後とも優れた製品と手厚いサポートとで、当コースのお客様安全確保と満足度向上の取り組みとを後方支援いただくことを希望します。
今後ともよろしくお願いします。
東京ベイサイドゴルフコース様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
取材制作: カスタマワイズ
最寄りの高速道路 IC から約 3km。
アクセスに優れたゴルフ場です。