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雷の基礎知識

雷の基礎知識(気象編)

雷とは?

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【図1】

空の中に上昇気流が発生すると、雹やあられなどの粒が雲中で相互作用し、雲の上方にプラス電荷がたまり、下方にマイナス電荷がたまります。

雲の発達にともないその電荷が増え、各々の電荷はそのままの状態では存在できなくなり プラス電荷マイナス電荷が引き合い空中放電(ショート)がおこります。これが雷です。

この雲の中で発生するものが雲放電で、雲と地上の間に発生するものがいわゆる落雷です。雷が発生するとき、一瞬にしてエネルギーの放出がおこるため、激しい光(稲妻)と音(雷鳴)をともないます。
図1に雷雲内の電荷分布のイメージを示します。

雷の発生条件

雷発生の気象学的条件

雷(雷雨)発生の条件として、以下の3つがあげられます。

1.大気の下層が湿潤であること
2.大気の状態が不安定であること
3.空気を持ち上げるメカニズムがあること

雷雲の発生、成長、消滅の過程

雷雲は直径数kmの雲塊を単位としてできており、これをセル(cell)と呼びます。実際の雷雲は単一のセルであることはまれで、数個のセルが複合し、全体としてはかなり複雑な構造となります。
図2に1個のセルが発生し、消滅する過程をモデル的に示します。

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【図2】

発達期のセルでは、成長しつつある積雲として観測され、10~15分で直径5~10km、高さ7~9kmに達します。
雲の中の気流はすべて上昇気流で、雲内では雲粒が成長し、大粒の水滴、氷粒が形成されてセルが発達をつづけます。
これが最盛期の始まりで、この状態の雲を積乱雲と呼びます。降水にひきつづいて雲の一部では下降気流を生じ、成年期には上昇と下降の気流の対流が生まれます。

上昇気流は上層ほど強くその速度は30m/sにも達します。雲頂の高さは12kmぐらいが多くあり、16kmに達するものもあります。電光放電はこの時期がもっとも盛んです。最盛期は15分~30分継続し、次いで上昇気流は減衰し、下降気流のみとなり、衰弱期に入ります。
雨は最盛期より弱まり20分ほどで止みます。

雷の種類

熱雷

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【図3】

真夏の強い日射により地表面付近の空気が熱せられて上昇気流なってできる雷を熱雷といいます。
図3に熱雷のモデル図を示します。

 界雷(前線雷)

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【図4】

界雷は冷気団により暖気団が押し上げられる時(寒冷前線雷)または、下層の冷気に沿い暖気が上昇する時(温暖前線雷)に発生する雷です。

地域差や季節による変動は少なく、何時何処ででも広い範囲にわたり時間に関係なく発生します。また単独で発生する場合と、夏季あるいは冬季雷と重なって発生する場合があります。
図4に界雷(前線雷)のモデル図を示します。

渦雷

渦雷は低気圧や台風の中心付近などの上昇気流の盛んなところに生じる雷です。

火山雷

火山が噴火した時に、噴火口周辺で起こる雷です。
噴火で吹き上げられた灰や土石が摩擦によりマイナスイオンとプラスイオンに分離され起こるものと言われています。

夏季雷と冬季雷

夏季雷

夏季に山岳部の東南の斜面は強い太陽にさらされ昼頃には、斜面付近からの上昇気流が強くなります。
上昇気流は高度が上がる程次第に激しくなり、入道雲が形成されます。 ここで条件(空気の移動速度、空気中の水蒸気の量、気温)が整うと、雷が発生がします。 これが夏季雷です。
山岳部で発生した雷雲は発達しながら内陸部に降りてきて海岸部近くで夕方消滅するケースが多いです。
また夏季雷は、一度発生すると2~3日連続することが多いのも特徴です。

冬季雷

冬季雷は、ノルウェーの大西洋沿岸と日本の日本海沿岸に発生する事が知られています。
この雷は、日本では大陸からの冬の冷たい季節風と暖かい対馬暖流から供給される暖められた水蒸気により 日本海上で発生し、季節風に乗り沿岸部で雪を降らすと共に落雷し、その後乾燥した風だけが太平洋側に吹き抜けます。

また冬季雷は60mを超す高い構造物が存在すると集中的に落雷する傾向があります。
これは、冬季雷の雷雲の雲底が、夏季雷の雲底と比較して非常に低いからであると言われています。
冬季雷の発生地域は、北海道の西沿岸から北九州の北沿岸の、海岸線から内陸20~30Kmの範囲がほとんどです。